2. 概要

2.1. 接続可能なセンサー

 MSM-PF梅に接続し動作を確認しているセンサーは以下に示す5種類のセンサーとなります。

 1. デジタル3軸加速度センサー(5kHz対応)
   品番 KX134-1211
   メーカー Kionix
   x軸 8.2kHz, y軸 8.5kHz, z軸 5.6kHzまでの振動周波数に対応
   レンジは±8gから±64gから選択
   測定精度は標準的

 2. アナログ1軸加速度センサー(高精度、10kHz対応)
   品番 PKGX-20-4039
   メーカー 村田製作所
   z軸のみ10kHzまでまでの振動周波数に対応
   高感度、高精度タイプのため回転機器予知保全用途に好適

 3. デジタル3軸磁気センサー
   品番 AK09915C
   メーカー 旭化成エレクトロニクス
   一般的な3軸地磁気センサー
   サンプリング周波数200Hzまで対応

 4. デジタル温湿度センサー
   品番 BME680
   メーカー Bosch Sensortec
   環境センサー(温湿度、気圧、ガス)のうち現在は温湿度のみ対応

 5. アナログ電流センサー
   品番 CCT261631-30-6-00
   メーカー TDK
   一般的なCT型電流センサー

新たなセンサーの接続を希望される場合には、特にデジタルセンサーではドライバーの作成が必要ですので、エッジプラットフォームコンソーシアムMSM-PF部会にご相談ください。

2.2. センサー設定ファイル

 各センサーの測定条件はjson形式によって記述された設定ファイルによって決まります。この設定ファイルはクラウドからゲートウェイを介してMSM-PF端末へ配信されます。なおMSM-PF梅用設定ファイルの仕様は次章(3章)にて説明します。またセンサーの測定条件を簡単に設定、変更するためのwebアプリを用意しています。webアプリの使い方については該当するマニュアルをご参照ください。

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 クラウド(エッジプラットフォーム)からセンサー設定ファイルを転送する方法については、本ドキュメントのスタートアップガイド4.7節、またはMSM-PFクラウドマニュアルもしくはMy-IoTマニュアルをご参照ください。


2.3. センシングデータの可視化、蓄積、ダウンロード

 MSM-PFクラウドで取得したセンシングデータはMSM-PFクラウドへ転送され、データの可視化(グラフ化)とデータの蓄積、蓄積データのcsv形式によるダウンロードが可能です。なお2022年12月時点において、これらの機能はMSM-PFクラウドのみに実装されており、My-IoTクラウドは対応していないことにご留意ください。
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 MSM-PF梅で測定したセンシングデータはゲートウェイを介してMSM-PFクラウドへ転送されます。ゲートウェイからMSM-PFクラウドへはsensorjsonと呼ぶ形式により送信されます。sensorjson形式の仕様については、下記MSM-PFクラウド マニュアル&仕様書の仕様1.5.2節をご参照ください。

 MSM-PFクラウドへ転送されたセンシングデータは、可視化画面用のデータベースと長期間・大量のデータ蓄積用のAWS S3へ振り分けられます。
 可視化画面はnode-RED(フローベース開発ツール)によって作られたグラフ表示機能です。デフォルトで準備している可視化画面は、直近のセンサーデータのみのグラフ化が可能です。過去のデータを遡って表示することはできませんが、状態監視や見える化が目的であれば十分な機能を備えています。またグラフの表示条件はnode-REDによってユーザーが自由にカスタマイズすることができます。カスタマイズ方法については下記「可視化画面マニュアル」をご参照ください。

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 大量データの長期蓄積用にAWS S3へ振り分けられたデータは、MSM-PFクラウドから指定したセンシング期間に分割されたcsvファイルとして取得することができます。操作方法は下記「MSM-PFクラウド マニュアル&仕様書の説明3.3センサーデータ取得」をご参照ください。なおAWS S3へのデータ蓄積は料金が非常に安価ですが、データのダウンロードに時間がかかります。長期間のデータを一気に取得するのではなく、適度に期間分割してダウンロードするようにしてください。

 上記機能でダウンロードしたcsvファイルは、複数のセンサーによるセンシングデータが全て含まれるデータ構造となっているため、解析をするためには作業が必要です。この作業を簡単にするために、センサー毎のデータにcsvファイルを整理するツールをエクセルマクロによって提供しました。センサーの測定条件を記述した設定ファイル(2.2節にて説明)を使い半自動的に整理しますので、操作は非常に簡単です。

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2.4. MSM-PF梅の動作と消費電力

 MSM-PF梅の超低消費電力化は「間欠動作」によって実現しています。「間欠動作」の動作イメージを説明した図を示します。

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 図における"ACTIVE"時のみマイコン、センサー、無線モジュールは動作しており、それ以外の時間帯は必要最低限の消費電力で駆動させているディープスリープ状態としています。ディープスリープ状態の時間tsに対してACTIVEの動作時間taを十分に短くするとともにディープスリープ時の消費電流Psを十分小さくすれば、時間(例えば1日)あたりの消費電力量(=消費電力)をより小さくできることがわかります。したがってMSM-PF梅の消費電力を小さくしたい場合(電池交換まで期間を長くしたい場合)にはts>>taとなるよう動作頻度を下げれば良いことになりますが、その分測定回数が減るため情報量が少なくなってしまうことに注意が必要です。
 ディープスリープ状態の継続時間は、超低消費電力動作のタイマーによって時間管理されています。決められたディープスリープ継続時間が経過するとACTIVE状態に遷移し、ACTIVE状態で決められた動作が完了すると再びディープスリープ状態となる動作を繰り返します。

 MSM-PF梅ではディープスリープ状態時の電流Psを実測0.6μAに抑えることに成功して長期間駆動時の消費電力量を極小化し、電池交換までの期間を数年単位とすることを現実的なものとしました。下のグラフは間欠動作の間隔と1日あたりの平均消費電力との関係を、待機電流0.6μAと6.0μA(従来品消費電流、当社比)で比較したものです。待機電流を6.0μAから0.6μAと小さくした効果は、間欠動作間隔が60分と短いと1日あたりの平均消費電力で65.6μWから47.8μWと限定的ですが、間欠動作間隔が長くなればなるほど効果は大きくなります。間欠動作間隔1440分(1日)では1日あたりの平均消費電力21.7μWから3.9μWと1/5以下と大きな効果が得られることがわかります。

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 以上の観点からもMSM-PF梅は、工場のバックヤード設置されているポンプやファンのように長期間にわたって定常運転され、動作がほぼ一定で時間的変化が小さい(月・年単位で変化)設備を対象としたIoTに適していることがわかります。